比喩はままならぬ/アラガイs
それは問いかけを装いながら自問に置き換える。僕が書いた「失地」。これは「比喩」でも用いられていなければなんてことはない、ただ忘却を惜しむだけの独白でしょう。
先ずは文章のメリハリや語り口の展開を中心にして言葉を飾り、読み手を意識しながら振りをつけて発語に置き換える。比喩を取り去れば単純でありふれた中身なのです。
しかし文学や詩に於ける比喩の役割とは力とは一体なんでしょう。もちろん比喩と置かれてもいない直接的に伝わる優れた詩は多くみられる。そもそも比喩は我々にどのような意義をもたらし、また文芸として使用しなければならないものなのか。稚拙にも一度捉え直してみたくなりました。そこで比喩の役割を
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