徳川家康の運(歴史の不思議、奇跡)/日比津 開
明日、大高(愛知県)に用事があって行く。大高と言えば、歴史好き、戦国ファンにとっては大高城のことが思い浮かぶであろう。若き家康(元康)が桶狭間の戦いの前に兵粮入れで名を馳せ、名将の片鱗をみせた城だ。徳川家康は特に好きな武将ではないが、天下を取る道のりの苦難の連続には涙を禁じ得ない場面が多々ある。同時に驚くべき運の良さも。その一つが桶狭間の戦いの中にある。
桶狭間で今川義元が織田信長に打ち取られなかったら、徳川の天下はなかった。当時の松平家(徳川を名乗る前の姓)は今川家の一武将、属国に成り下がっており、義元の機嫌ひとつでいつ滅んでしまうかも知れない危うい立場にあった。それが戦いの後、独立を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)