生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
 
 死のうと思ったとき不思議な感動が身体を包むときがある。僕は誉められた人間ではなく、悪いこともいっぱいしてきたのに、全てが、許されてしまうような。その感動が欲しくて、僕はときどき何もかもを捨てて、死のうと思うのかもしれない。

《1》
 わくわくするときがある。僕は、それでも、まだ若いということに。今までの人生、僕は徹底的に自分をスポイルしてきた。小学校だけは行った。中学は一年、高校は半年、大学は一年、通った。19歳で大学から実家に帰ってきたとき、もう僕は終わりだと思って、何もかもを捨てた。自分の写真をアルバムから引き剥がして、ネガも含めて全部切り刻んだ。ちょうどネガを切っているとき、友人が
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