歯車のこと/はるな
むすめに小花柄のワンピースを着せたので、自分は紺色の格子のワンピースを着る。ふくらはぎまで裾のあるざらっとした生地の。雨は降ったりやんだりする。
「びしょびしょになってもいーんだよね」ってむすめが言うからそのとおりだとおもう、でも夫はしぶい顔をしている。そして案の定かばんから小さく畳まれたタオルを出して備えている。濡れた犬みたいなむすめと飼い主みたいな夫、わたしはざらっとした生地のワンピースでみている。
車でショッピングモールにきて、むすめの服とわたしの服を一着ずつ買ってもらった。眠ってしまったむすめを抱きかかえる夫の肩が寝息でしめっていくさま。
夕方夫がスポーツ・ジムにいってしまっ
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