めも0705/はるな
 

魔法がとけはじめているのを感じる。
それはまったくあたらしい、素敵な魔法だったので、とけるのだって道理だ。わたしは自分の足が地面を踏みしめるのを感じたし、それによって景色がぐんぐん変わることをおぼえた。空気がいつもさらさらに新しくて、いいにおいがしてた。泣いたり笑ったりすることが苦痛でなかったし、さびしさも、うつろな丸ではなくて、何かじんわりした真っ当なものだった。
よわよわと柔らかい娘を腕にいれると、なんといったらよいだろう?ひんやりとした安心を抱いているようにおもった。静かで美しいわたしたちの時間。いまや娘はわたしの腕に収まりきらなくなって、それでいてそこへ入ろうとぎしぎしと泣き、鉄み
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