めも0705/はるな
鉄みたいに重たく熱くなって、このはげしい美しさは何だろう。
娘がうまれたときも、わたしはわたしと彼女がまったく違う人間であることを驚きと誇りをもって発見したが、それは毎日喜ばしく更新される。違う人間であるという喜び、そして彼女がわたしから遠く離れるほど育つ喜び。でも、魔法はとけはじめる。わたしが耐え難く汚れているとき、あなたたちはどこにもいない。娘がわたしの傍に来てからはしばらく感じられなかったそれは今もうそこまで来ている。そこの、駐車場を曲がった自販機のまえまで。たぶんそれはずっとそこにいて、わたしが気がつかなかっただけかもしれない。
娘には、もういるのだろうか、したしい感情が。
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