笛吹き少年の行くえ(6)/Giton
 
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   【6】 笛吹き少年の伝説


   下書稿(一)手入れ(2)〔A〕

 若き母や織りけん麻もて
 全身紺によそほひ
 藁沓に雪軋らしめ
 町に出で行く少年あり

 青きそらのひかり下を
 小鳥ら、ちりのごとくなきて過ぎたり。
 青きそらのひかりに
 梢さゝぐるくるみの木あり

 そのとき
 雪の蝉
 また鳴けり
 くるみのえだには
 かぼそき蔓


前回は、文語詩「雪峡」の成り立ちについて、〔A〕,〔B〕という、もともと無関係だった2つの断片を合体させて作られたことをお話しました。
上に掲げた〔A〕断片のほうは、1921-22年ころ、つまり
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