こひもともひこさん「民主主義」にカウンターパンチ食らう。/アラガイs
…朝の選挙速報を眺めていると僕はとうとういたたまれなくなってしまった。
彼女は何故か気のない返事で僕をはぐらかす。公示が決まったその日からお店にも顔を出してはいないようだ。(応援は知り合いから頼まれて断れなかったのよ)と、僕には言った。
以前のようにゆっくり話せなくなってから2ヶ月が経とうとしている。その日の夕方僕は彼女を呼び出し問い詰めることにした。真剣なのだ。真剣過ぎるから僕は本心から応えを求めてしまうのだ…。
まだ前日の雨に濡れている歩道。ウィンドウの奥から覗く速報番組の顔が忙しなく切り変わる。それを見ることもなく人々は家路を急いでいる。石畳に置かれたテラスは空いてた。彩りで
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