サリンジャーとドストエフスキー (現代小説と近代小説の断絶について)/yamadahifumi
芸術というものにはある種の断層のようなものがある。そう思うのは、ミシェル・フーコーの『言葉と物』を僕が読んだからではなく、小説を読んでいて、そう感じる所があるからだ。
バフチンは正しくも、「ドストエフスキーの小説の主人公は、それまでに作者がやっていた事をしている」と述べていた。これはまさしく大切な事であり、僕はバフチン、あるいはフーコーの構造主義には重要な意味があると考えている。
僕の実感だと、例えば、フローベールとかモーパッサンは普通に読めない。読んでいて何となく退屈だなあ、と感じてしまう。バルザックも優れた作家だが、どちらかというと古いなあ、と感じる。
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