【HHM2参加作品】「沈黙」を聞き、「いま」を読む ? 縞田みやぎさんの「春に寄せて」/N.K.
今年も春が巡ってくる。年度替わりの時期でもある。一つの区切りではあるので、年度を振り返ろうとしたら、ここ数年の振り返りとなり、出版された詩集を数多く読んできたわけではないと不勉強さに気づく。それでも「石の記憶」や「詩の礫」、そして「眼の海」を読み、「石原吉郎―詩文学の核心」という本が出されたのを機に、石原吉郎を読んだ。他にも読んだもので、大切だと思った詩集はある。それでもなお、上のようなものを挙げたのには、やはり自分なりの一つの基調が、自分にとって止むに止まれず求めつつあるものが、感じられるからである。
こういう言い方が当てはまるかどうか、躊躇しながらでも言ってしまえば、否応なしに理解を越え
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