「異様に低く、白い天井」/宇野康平
ここは夢？
夢ならば出来るだけ好きな場所にいきたい。
好きな人に会いたい。好きなことしたい。
なぜか、冷たい、冷たい身体を労りながら、
ゴクリ、と唾を飲み込むと同時に場面が変
わる。
誘う女が、冷たい石を踏みながら歩む。大き
な眼をさらに開き、ソレを、まっすぐ、見つ
める。それは化粧を覚えたての１０代の女の
ように好奇心と興奮とがない混ぜになったも
のとは違う。慣れ親しんだ、慣れ親しんだも
のを見つめる眼だ。周りの雑音がプツン、と
消えたとき女はソレを強引につかんで唐突に
飲み込んだ。
ゴクリ、ンン、ン
アラヤダ、オ、オホホホホホホホホ
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