親愛なる あなたへ/鵜飼千代子
 


私は、今とても腹が立っています。
とてもとても、腹が立っています。
どうしてだか、あなたにはわかりますか?
あなたはとても優しいし、心が広いし、我儘な私を全身で受け止めてくれる、だからあなたと結婚しました。
あなたのことを愛しています。
だけど、あれだけは許せない。どうしても我慢ならない。
一人で家に居るとそのことを思い出して、むかむか、むかむかしてきてどうにもおさまらないので、この手紙を書きました。
どうしてあなたは、全く気に掛けずに外でポイッと物を捨てることが出来るのですか。あなたがあの日、線路脇の道で、紙屑を何気ない風に捨てるのを見て、私はあまりの突然の
[次のページ]
戻る   Point(14)