雑感1/松原 台
 
雑感1

 D80を買ったのが五月の連休前だから、まだ一月足らずしか経過していない。
 この一月あまりのあいだ、私は、このカメラを携え、東京都内のさまざまな場所に赴いて、撮影行為に没頭した。
 被写体は、町並みである。
 記憶として脳に残るのは、せいぜい数日だろうと思われるような、何の変哲も無い、街の風景。
 それらの大半は、現在、プリントされることも無く、ハードディスクのごみ箱の中に、完全に消えうせる一歩手前の状態で、留まっている。
 消去するか、それともしないのかの判断基準は、甚だあいまいなものである。
 その内容を、言葉で表すことは難しい。
 消去されずに残る画像というもの
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