ゆうだち(みーこに)/にゃんこちゃん
 
水仙の似合ふ家族に招かるる

夕影に音無くこぼれ花辛夷

蒲公英やサーカス団の来てゐたる

駅前の鳥獣保護区風薫る

青空に溶けて仕舞いし雲雀かな

渡し舟落花の水に待ちゐたる

月山の麓に子猫貰われし

襟足のよく似し姉妹初蛍

案の定祖父も寄り来て花火かな

馬の瞳の如く優しき山桜

電燈を消して驚く牡丹雪

鯊舟に忘れ形見と待ち合はす

歓声の方にも夜の桜かな

束ねたる髪を解きて夜の秋

ハンカチに戻り来て置く土筆かな

青空に祝福の薔薇投げらるる(友人の結婚式で)

みな眼鏡掛けて兄弟墓洗ふ

あかとんぼ西郷どんの眉の上
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