群青のサンドウィッチ( 最終回)/吉岡ペペロ
 

こんな顔をして家には帰れない気がした
ヨシミは自転車で夜を町を走っていた
お母さんをさがしてパチンコ屋さんをわたり歩いていた
カゴのなんでもバッグにケイタイがのぞいていた

目からなみだがあふれていた
風をうけているのに乾かなかった
泣いてるわけではないのかも知れない
風が目にはいってでているだけのなみだなのかも知れない

外灯や町あかりがたまにケイタイのおもてにあたるたびカワバタからの着信かと思って自転車をとめた
なんどめかのあとこんどはほんとにユキオから電話だった

オリオンってほんとどこいっちゃんたんかな、

ユキオはユキオでなにか落ち込んでいるようだった

動いてるんだよ、ユキオ、なにもか
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