月光/秋葉竹
 


月の涙をみた

あまり関心は無かったけど

ふとみあげると痛々しかった
守ってあげたくなった

なにを為すこともできないのだけれども



クマを撃つ銃声が朝っぱらのテレビから
バンバンと聴こえるよ

彷徨って獣はなにを想い生き、死に
ひとはなにを想って秋に彷徨っているのか

犠牲はあまりにも大きく
悲しみは何処までも広がる

夜の傷を舐めて
私も悲しみのカラスになるのか

初めて命を心細い糸だと想った
そのとき突然、命を大切に想った


夏は雲に乗り、去り
秋は冬の匂いをさせて急にやって来た


まるで朝にはブラックコーヒーを
[次のページ]
戻る   Point(3)