メモ(ノートに書いた詩)/由比良 倖
 

月は毒に満ちているよう。毒の水、
流れ、パプリカに葉っぱを付けている。

インターネット? そんなもの。
僕は宇宙より大きなネットワーク。

あるとき僕は夏の波にさらわれて、
夏の子供のように遊べるだろう。

君たちは夏に値段を付けて、
爪の先で画面を見てるだけ。

みんな車を持っている。
みんな値札を持っている。

階段から降りて、僕は、ああ、
神様の遊びに身を委ねるだけ。

子供たちになって、
夏を、花のように溶けていくだけ。



並木道を歩いていく僕たちのように、
狂った人々の孤独の匂いを籠に集めて、
日光の無臭と、風からの隔たりを
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