メモ(ノートに書いた詩)/由比良 倖
*
月は毒に満ちているよう。毒の水、
流れ、パプリカに葉っぱを付けている。
インターネット? そんなもの。
僕は宇宙より大きなネットワーク。
あるとき僕は夏の波にさらわれて、
夏の子供のように遊べるだろう。
君たちは夏に値段を付けて、
爪の先で画面を見てるだけ。
みんな車を持っている。
みんな値札を持っている。
階段から降りて、僕は、ああ、
神様の遊びに身を委ねるだけ。
子供たちになって、
夏を、花のように溶けていくだけ。
*
並木道を歩いていく僕たちのように、
狂った人々の孤独の匂いを籠に集めて、
日光の無臭と、風からの隔たりを
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