慈雨に消える/這 いずる
私からあふれる雨がまじり降り
何処かの約束した南国がきらきら光って
草木から滴る露と消える
大雨だ
私が消えるにはふさわしい
月日が経ったと思う
確かに君の誕生日は昨日だったと
カレンダーが教えた
薬を飲んでも
いない事に耐えられてないみたい
健康になっていくことに不安がってた君の
気持ちが、これでいいのかなって
私もそう、そう思う
無理は、無理だけど
限界、限界から試されて
頑張るしかないこの先三十年
残っているから
私は君のこと
思い出していない
ただ約束した南国の
木が生暖かい風に揺れる幻惑が
たまに通って
苦しい辛い本当はわかんなく辛くて
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