恋/乾 加津也
小さな体で
寄り添うあなたは
光を集めて 深呼吸する
まだ見えていないものたち
内から溢れるまなざしで 弾けながら
湿った広大なスクリーンは
なんとか 機微(オーロラ)を生みだそうとする
その一つ一つに
愛おしさと
触れる(ことができる) カーテンが宿ると
あなたはわたしに
指先がスイセンのように触れると
太平洋の深海の底で
宿命の瞼が
二度と開かないほどの
楔を求める
命の契約を すませるほどに大袈裟な
それでも
永い眠りから
起き上がるわたしが
かたくなに
白い自分をまとうとき
気づくあなたは
開
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