恋/
乾 加津也
開け放たれた
窓の外からかすかに届く
頬をつたう 風になって散る
そこにカーテンもないのに
まわりにかき消されそうな か細さに
激しい炎も凍りつき
わたしは 緑に燃える
傷ついた時間たちの渦に落ちて
いまも
放り出されたまま叫ぶ
錆びた銅像のよう
このまま死を招き入れる
固い 巣箱になって
わたしに もう一度
永い眠りに 消える喜びをくださいと?
誰にむかって
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