娘の誕生日/花野誉
 

三宮駅で待ち合わせ

古い喫茶店で少し話してから飲みに行く

学友とバンドを組み

ミニスカートでギターをかき鳴らし

絵を描きバイトをし

夢のために人々の間を飛び回り

大人たちと渡り合い

恋をし恋に悩み恋をエナジーの一つとし

光り輝く生命の眩さを目の前にし

ただただ圧倒される

彼女は私と違う

私から生まれ出たけれど

私のように何でもすぐに捨てない

投げやりにしない

「自分で自分の人生を終わりにすることは絶対にしない」

と言う

私は昔それをしようとしたことがあった

彼女は私と違う

それは産み落と
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