此処であり、何処かでもある/ホロウ・シカエルボク
剥落していく昨日と、壊死気味の今日のボーダーライン、何もかもがぼろぼろで鬱血した世界だから、本当に美しいものが眩しいほど輝いて見える、俺ぐらいそのことを理解している人間はそんなには居ない、確かめたことがあるわけじゃないけれど…寝床は死蝋化した誰かが眠っていたかのように冷たくじめついていた、だけどだからといって、もちろんこれが一番の問題なのだろうことは自分でもわかっているのだけど、太陽が恋しいかといえばそれほどでもなかった、否が応でも日向に居なけりゃならない時間が週に二十四時間もあれば誰だってそんな気持ちにもなるだろう、やろうと思っていたことは全部後回しで午後まで寝たり起きたりしてしまった、急に
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