青い檸檬は
いつかは
黄色くなるんだろうか
低い鼻なのに
鼻先が冷たくなるのは
何でなんだろう
金の亡者になった頃
何不自由しなくなるのかもしれない
教訓は
身に凍み込む ....
雨が降る、
眼に見えないほどの雨が、
音もなく、赤い橋を濡らし、
ゆるやかに流れる川面をやさしく打つ
雨は街灯を濡らし、アスファルトを濡らし、
橋の上をゆく人々の姿を、
灰色の影で覆い隠す ....
ある朝、
よく晴れた寒い朝、
私は駅に降り立った、
はるか東から、夜行列車に乗って
この街にたどり着いた
私は探していた、
かつて置き去りにしたものを、
もう何年も前から見ていな ....
猫はネズミを捕る
と決まっているわけでもないだろうに
きみときたらネズミをくわえて
クリスマスには早いわたしの枕元
スズメの時もあれば
夏にはカエルだったね
食べる為ではなさそうだけど
....
おれはなにをしてるのだ
おれはなにをしたいのだ
ただあるのはただあるのは
圧倒的な圧倒的な圧倒的な圧倒的な
自己嫌悪自己憎悪
自己嫌悪自己憎悪
おれはおれを殺したくてしょうがない
....
見慣れない肌の子供が立っていて
おまえは苦しんで死ぬと囁くものだから
そんなもの
首を絞めたっていいじゃないか
結局のところ
君たちは知らないんだ
君たちは知らずに転げる
転げている、ろ ....
走り出したら止まらないような饒舌に身を任せるので今宵も溺れさせてください。めくるめく言葉の流れにとまどいたゆたいひきずられていく。おそらく言いたいことはここではないのかと思うのですが蛇足がさらに蛇足を ....
東京タワーの見える部屋がいい
と
誘ったのは
私
無心で
切れる筈のゲート
振り返ったのは
あなた
深くで
偽造された
感情で
重ねる
曖昧さで
単純だった
ひ ....
神様を殺したい
なるべく早く殺したい
わたしとあなたときみは いつも3にん一緒だった
3にんで兄弟のように笑っていた 春も夏も秋も冬も
9月にあなたは死んだ
まだ暑さが残るのに ....
それは一晩中泣き喚いた後の
空の真白
真白で無関心な、朝、まぶしくて
腫れ上がった目蓋と、熱い頬と
厭味たらしい空の
詩を忘れた
詩を忘れた
詩を忘れた
後は空白
空の
今年の冬は、ミスド待ち合わせ。
影を連れて歩く歩道は、賑わい、少しだけ肩が震える。
睫が、下がるのを見るのが好き。
聞き分けのないmailに帰る言葉もなく、暖かい{ルビ音=おん}だけ。
あの遊 ....
雨の日 川は海へ行かない
右へ曲がりまた右へ曲がり
虫を食べ
土に帰る
逢魔 負う魔
壊れた時計
逢魔 負う魔
流れる水紋
どこへもいかず
め ....
子供のころ
父さんの行きつけの床屋さんで
髪を切ってもらっていた
そこのおばちゃんは私の髪を梳かしながら
「○○ちゃんの髪はほんと硬いね〜、櫛が折れちゃうわ」 って笑うから
いつも ....
時計の針が2時をまわって
秒針の音は聞こえない。
私が眠らないので
隙間を探して猫が寄り添う
黒い毛がつやつやと
私の心を落ち着かせる。
ドリップコーヒーの滴る音は
あなたに会わない ....
助けて、っていわれる
ぼくは精一杯、手をのばす
何十キロメートルとはなれたきみが
落ちそうになってるからね
とどくはず無い
だって
ぼくの手は その距離を埋めるのに 短すぎる
紙コップに注いだウーロン茶が
ずいぶんと長い時間をかけて
紙を軟らかくしてしまったようなので
もうお茶を飲む気にもなれなくて
台所へ持っていって
その液体を捨てた。
残った紙コップは
....
琥珀の火の酒を
舌から喉の奥に流し込み
血液に乗せれば
私の身体は
いつでも燃える
青い炎になって
すでに
燃えているのだろう
熱い身体を
シーツの上に横たえたら
あなたごと
....
キレイな夜明け
誰にでも平等に訪れる
だけど迎える朝は公平じゃない
逃げられない現実が
いつだって両手を広げていかにも優しげに抱き締めてくる
その手を振り払うことは出来ない
「放ってお ....
私の髪は切られずに
毎日伸びつづけるのだった
毎日抜けるのだった
甘いりんごパイとともに
夜更けのコーヒーとともに
同居人の寝息
確認して
そっとほっとする
....
努力するなんてばかみたい
とあなたは言いました
でも私は
努力する人が好きなんです
ひたむきさは
けっしてむだではないんです
知らない顔して見守っていたいんです
....
独りで夜道を歩いていたらなんだかやり切れなかった。
空気が私の何かを切りつけるように横にまとわりついて離れない。
去年の今頃に出会った君は、私に許しをおしえた人だった。
それなのに私は君 ....
新宿駅の構内に一人立って、行き交う人を蔑むみたいな目でみるのが好きだ。
怒鳴って歩くサラリーマンを横目に見て、抱き合って手を繋ぎ合うカップルの前を通り過ぎる。
切符売り場の前並んだ行列の先 ....
あたしは、赤い口紅を塗りたくって
大人になった気分に浸っている小さな子供と同じだ。
何も言わないで
欲しいものを指差して
これが欲しいの?と聞かれると
頷くだけの、無愛想な子供
....
女に刺されて死にたい
刺した女を愛したい
俺はおまえのものだと
女の耳に囁きたい
刺されながら女に詫びたい
すまなかったと
抱きしめたい
体温の凍てつくまで
女の肌に触れていたい
....
ららら月曜日
水草に こっそり つぶつぶの朝
金魚さん 卵を生みました。
。.
お母さんとお父さんは 大きなお家で あなたを待ってるって
・・
2日め
お ....
半分描かれた
絵のなかの原
どこへそよぐ
絵のなかの原
ことり
ことり屋の前をゆく
ことり
声は少なく
一本空けた
りんごの酒
二本めは苦く ....
ある日偶然眼にした
“お前はお前でちょうどいい” って
やばいな これ
文字が滲んできた
どうしよう これ
なんでだろ
止まらないや
今年は
洗濯物をひとつひとつ畳んで
引き出しにしまうような毎日を
過ごしておりますわたくしでございます
洗濯物を畳んでしまう習慣というのは
たぶん
この国独特のものかと思うのですが
....
夕陽の色を集めれば
溶かせたでしょうか
旅行く雲に焦点を結べば
胸に焼き付くでしょうか
風に吹かれる風車も
いつか飛ぼうとするように
いつまでも見つめているだけでは ....
ひとりでぶつぶつ言っています。
ベルギーの画家マグリットは言いました。
「私の絵の題名は説明でないし、絵は題名の図解ではない。題名と絵のつながりは詩的なものである」
いい。いいねーと思っ ....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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