隣のテーブルでは
中年の男が
くわえ煙草で
眉間に皺を寄せ
本をにらんでいる

奥のテーブルでは
初老の女が
眼鏡をかけて
忙しく次から次へと
バッグから書類を取り出しては
興味 ....
たくさんの固形物が
群立するビルの谷間に
在るものが在るものを
こえようとする瞬間
世界中の言語は黙秘した
こだまする
吐息と靴音
家に忘れた裁縫箱を取りに
少女は走った

 ....
あの街に僕は用があるんだ
ねぇ君に会いたいんだけれど
今から行ってもいいかい?
こんなに遅くなってしまっては
君は待っていないのではないか
そうやって僕はまた躊躇う
でも今からでも遅くない ....
0:00を見てしまった私の
明日は重たいだろう
お疲れさま
滋養強壮ドリンクは用意してある
あとは
ブドウ糖
3000円の当たりくじ
これが現状の評価

浮き輪ひとつの遠泳は
これ ....
犬の耳がわたしを駄目にする
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族に小さな菓子を買った
今日はかけっこで一等になった
娘は得意げに話してくれたが
何メートル走か ....
突然、閉所恐怖症ですか、
と聞かれ
慌ててそうじゃありませんと
笑顔を見せる
笑顔を見せたって
MRI撮影室の
空洞の中に居る私の顔は
見えやしない
ただ、
むっつりした顔で答えたら ....
そうか

さんまは
頭としっぽを落としてから焼けばいいのか

得な性格でよかった
わたし

米は
ぴかぴかになるまで磨ぐから
怪訝な顔される

だって
炊き上がりがきれいで
 ....
あげたかった
必要なものはすべて
コップが限界だったのに
それ以上だと作れなくて
カステラみたいに
手は千切れてしまうのに

(2006.6.11)
一歩目は簡単さ。ただ目をつむって足を出せばいい。

二歩目より後はもう進むか転ぶかだから。

上手く一歩目が出て続けばいいけど、なかなか二歩目は難しいもんだよ。

俺なんてそれが恐くて前に ....
世界は
広くなったのだ
月の影は悪戯に 遊ぶ心をけしさらう

夜気の味なら心まで 味わう思いを流しさる

夜の花というものは 香りで人を貶める

夜風の心地が分かるなら あんこの心もわかりょうか

見えない雨 ....
ねぇ もう少しいっしょに
このままでいてよ
愛の言葉なんて ちっとも いらないからさ
ただ今夜だけは ずっと抱きしめて

ああ 死ぬまでなんて
言わなくてもいい
今きみの吐息感じてい ....
草や葉や花の蕾が香る午後
六月の雨に空気は濃さを増している

植物の吐息が混じった空気が
血中に入り込み
くすんでしまった細胞を浄化すると

かすかに残った本能が
脳裏に囁くので
 ....
晴れわたっていた
ページをめくるたびに
空はその青みをまして
澄んだ悲しみのように
雲ひとつ見つからない
その向こう側から
誰かが僕の名を呼んでいる
今朝旅立つことは
すでに決めていた ....
 智恵子のかじったサンキストのレモンにはたちの悪い農薬が入っていたのではないか、それが彼女を余計に苦しめたのではないかということが、気がかりでならないのです。しあわせな智恵子はそんなことは気にしないだ .... 静かなそらを見上げると

無数に星がみえました。

東京では息がくるしくて

毎日仕事に来るたびに

目がかすんでしまいます。

故郷はどうだったろう

そんな事をおもってみた ....
あした
忘れてしまうのならば
濡れて帰ろう

あした
思い出せないものを
濡らしておこう


あしたも
忘れてしまえないものと
濡れて帰ろう

また
思い出してし ....
夜はうえ。昼はしたを見て歩くのがよい。

ひかれたトカゲが一匹、ひからびていた。なぜか仰向けで。もしかしたらひかれた後、のたうち回っていたのかもしれない。肌がぴりぴりと痛い陽射しの中。彼のお腹の ....
お人形のように光る私の毛

友達という言葉が
薄ら寒い背中
どこか
遠い町の観覧車
危うい鉄骨の錆色

ごめんなさい
人肌は
暗い布団の中でだけ
青いワンピースは
もう着れない ....
激しい雨の音のなか
あなたとわたしが
ふたりきりでいるのですから


あやとりもするでしょう
すごろくもするでしょう
しりとりもするでしょう


じゃんけんもするで ....
表情の中を魚が泳ぎ
わたしたちは
知らない名前まで
食べなければならなかった
表情の人は会釈をすると
良い色のうちわをくれた
その夏は
たくさん扇いだ

(2006.6.9)
私は盲目ではないけれどあなたの事が見えません。

私は耳が聞こえるけれどあなたの言葉が聞こえません。

私は口がきけるけれどあなたに言葉が届きません。

だのに

だのに

私はあ ....
一日分の想いを貯めると

いくらかの利息がついて

想いは膨らんでいきます。

みんなのそんな利息が

幸せな想いだといいな。
いろいろあると思うが、
一つには不死ということだろう。
お役人も不死。
ことばも不死。
生死があるのは人の証でありますと考えたが、
それは今日が意気消沈しているからかも ....
嫌っていたものの中で暮らしている

これって
皮肉っていうんだろうか
もう
どうでもよくなっている
拘っても
嫌がっても
どうしようもなく受け入れなくてはならないことがあるから

 ....
オレンジ色の光が
橋の頂点に向かい緩やかに移動する

三日月と夜行バス
溢れかえる光と涙

滲む風景は残像を作り、耳が、ノイズを拾う

幻のような佇まいの君と
目が合う

多分触 ....
日々の営み
食べかけのマンゴー
砂のようにどこまでも
ずれていく少年
手段を知っている僕たちは
まだ本当の悲しみを知らない
日々の営み
食べかけのマンゴー
それが癖であるかのように微笑 ....
みどり色の通帳を持って
図書館の入り口が窓口の
こども銀行

わたしはいつも
青いお札だった

毎回
千円を積む子は
社長の息子

せんせいを
ママと
まちがえて呼んだ

 ....


父は
生まれた時から
わたしの父であった

母は二度の流産を経験していて
私の時もずいぶん危なかったらしい
わたしは
生まれる前から
強さと弱さを持っていた

父は私をお ....
水面でも生きていけた
音も音以外のものも
やがて最後は雨となって
わたしはいつもの
退屈な境界線になった
明日は全国の会議室で
美しい花が観測されるでしょう
予報士は丁寧にお辞儀をすると ....
未詩・独白
タイトル 投稿者 Point 日付
スモーキング・カフェマッドビース...106/6/14 22:11
黙秘たもつ8*06/6/14 19:06
何かの歌詞瀬冬翼流006/6/14 19:01
ぎんぎんぎらぎら蒼木りん506/6/14 0:45
境目たもつ8*06/6/13 22:04
黒幕は検査技師あおば11*06/6/13 17:20
初夏の夜はいつまでも宵蒼木りん006/6/12 23:21
たもつ3*06/6/12 18:59
酒の肴の沢蟹の話[group]プル式0*06/6/12 9:41
情報化社会 においてFUBAR0*06/6/12 5:33
夜に見る雲 月に咲く花[group]プル式2*06/6/12 2:34
今宵ロマンス (歌詞)クリ006/6/12 1:56
サバンナの雨マッドビース...2*06/6/11 15:14
旅立ちたもつ14*06/6/11 10:39
高村光太郎「レモン哀歌」を読んでTommy2*06/6/11 7:57
そらみたことか。[group]プル式4*06/6/11 3:50
雨にさらわれたあしたへAB(なかほ...506/6/11 0:29
みちのうえチェザーレ4*06/6/11 0:21
夕暮れ蒼木りん206/6/10 23:37
ノート(43Y.6・10)[group]木立 悟406/6/10 22:07
たもつ6*06/6/10 17:29
朝みる夕暮れ[group]プル式4*06/6/10 5:24
幸せ貯金[group]2*06/6/10 3:45
神の特性あおば6*06/6/10 2:00
抹殺蒼木りん206/6/10 0:02
光点アザラシと戦...306/6/9 19:28
微笑たもつ9*06/6/9 18:54
こども銀行蒼木りん106/6/9 0:31
さくらほ11*06/6/8 20:59
雨にさらわれた明日へたもつ6*06/6/8 19:59

Home 戻る 最新へ 次へ
52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 

【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
0.47sec.