俺は腕を鍛えてるんだ
お前のアトムになるために
鉄腕と呼ぶにはまだまだだけど
お前をしっかり抱けるぐらいの腕を持ちたい
お前がその強さという化粧を落として
好きなだけ泣けるように
俺は無敵 ....
わたしは言った
「あなたのことがすき」
彼女は夏のような目を開いた
ただ、セミが潮騒みたいに鳴いていた
緑がざわざわ動いて、そのむこうのとぎれとぎれの空もいっしょに動いていた
祠の向こう ....
木々は空の下で動かず
静寂は燐と張り詰める
僅かに震える街灯の光は
夜となって歩道に落とされる
昼の間、風と共に遊んでいた白い雲は
いつの間にか隠れてしまった
暗闇の中で研ぎ澄まされる
....
授業を終わらせるチャイムが僕らに
仕舞い支度を促し、先生は
名残惜しそうに黒板の裾に触れて
開いた小さな穴へと3色の
チョークをぽとりぽとりと落とす
号令にやる気なく起立する僕らは
椅 ....
雨滝に続く道は
聖堂のように光がそそいでいます
昼下がり、ステンドグラスの森が
橋に季節の色を映して
敷き詰められた落葉の絨毯は
通り雨の跡のように
濡れていてるのです
長い階段を下りて ....
死んでしまえば
と頭によぎる
悲しみも苦しみも
喜びも傷みも
感じることなく過ごせるのに と
暑い夜の熱気が
頭の中に入り込んで
心は何も感じることなく
ベールの中に小さく収まって ....
さびしいなら
なでてあげましょう
つらいなら
だきしめましょう
ふきげんなら
そっとしてといて
きげんがよくなるのを
まちましょう
きみの「しっぽ」は、いちにちじゅう
....
蒼い空に
願いを請うるよ
届くことのない灯りは何時か
忘れていたのは
あの日の紅い微笑
さあ瞳閉じて
奮い起こせ
今瞼に映りついた
奥に眠る月光華
ひらり墜ち ....
よるのみち よみち
よりみち りぬけ
りぬけは理抜け
いみなどわすれてたのしもう
いしころけとばせ ねこおっかけろ
さむいさむいふゆがきて
ふゆしょうぐんをでむかえ ....
あなたが待っている
たとえそうだとしても
私はあなたを探さない
あなたの名前を叫んだりしない
あなたの肌からは
温かくて
優しい匂いがするのだ
私 ....
母さんがウインナーソーセージをくれた
午前5時 朝もやの中で
朝ごはんには早すぎる時間のはずだが
なぜだろう
母さんがウインナーソーセージをくれた
白い皿に フォークをつきさして
ウイ ....
かたむいた夕の頃
散り撒いた木犀の
からからと枯れ転ぶ花殻を集む
真白い光の軌跡が
こなれた時間を追い落とす
チェリーセージの赤い蜜 ....
触れば生える砕ける
さらればあえるたまえる
テーブルの上に置かれた
鋭利なナイフを手にとって
女の子は微笑んで
近くにいた男の子は
それを横目に見て
気付かれないように
徐々に彼女と距離をとって
地球は丸く
彼は ....
あなたに会うのと あなたの肩にかけるのと
お腹の中から涙を流す
あなたの事を たとえ人間になっても
涙を流す
「 ありがとう 」
声に出して
君に伝わるのは
たぶん言葉自体ではなく
「 ありがとう 」
の五文字の背後にあるものが
僕の目から君の目に伝わり
互いの笑顔が ....
僕らは
指定席とよばれる
ひとりずつ与えられた席にすわって
ときには時速三百キロメートルを超える
レースドライバーのように
ふと孤独の恐怖に気づいたかと思えば
またすぐに慣れてしまっ ....
計算され尽くした
ちょっとした気持ち悪さや
引き気味な感じとか
もう犯罪だよね
君
わかってるよ
幸せなんか
ちょっとしたことで壊れちゃう
そう
気分だけで
ねえ、ユキ
最後にユキの足音を聞いたのは、
3週間と4日前の日曜日。
吉祥寺の小道から井の頭通りに出る信号のところだったね
小田急のバス、大勢の人、なにかよくわからない街の音。
もうすぐ ....
二週目の太陽に
準備中の札をかける
気ままな獣を蹴飛ばす
殺気立った喉をくすぐり
布団でまどろむ
豊かな溝を覗く
あまがみ あまがみ
犬歯による抱擁
つま先に空いた ....
はだかを見せるのにも理由がいるんだって
肩先ですれる絹のおとが痛い
蛍光灯があおく残るまばたき
せすじの伸び方がちがう身体を二つ
絞って捻り上げる夜じゅう
あぶらを滴らせながら
....
「ありがとう。出会ってくれて、ありがとう」
こんな言葉滅多にいえないボクの
彼女は君
ほんの小さなすれ違いに
真っ白な肌を
膨らませたり小さくしたり
「大好きだよ。ただ貴方 ....
好きだよ、大好き
「ばぁかこっちの方がずっと好き」
「馬鹿じゃないよ、絶対俺のがお前を好きだって馬鹿」
「馬鹿が馬鹿っていうなばーか」
「あー…もう、お互い馬鹿だな」
ほ ....
何億光年もむこうのほうの
小さな星がたたく鍵盤の
黒いところに光が集まって
猫みたいな声をあげて
女の子がひとり生まれる
ちいさなはこに落っこちた
なつかしい湖の色 ....
鳥滴光声
距離もなく
ただ在る
手水原香
数もなく
ただ鳴る
壁もなく窓もなく
ただまばゆく
既 ....
第一楽章
ホ長調の音符引き連れた春が
草原に咲く
いつか播いた喜び
これから花開く出会い
朝靄去って
ピアノに向かっている君
....
*AM4:00
朝が早い
青い鳥は見付からなかった
いつもそうだった
*AM3:00
戸締まりの仕方が分からない
声だけが湖になる
....
私は海を見ていた
海は生命の母という
私はその美しさに目が眩み
気がつけば
海の中にどんどん入っていった
一面の海に私が満たされていく
海は母
私は胎児
羊水の中、手足を動かし ....
眉間の女
あかるく
開脚
矢を
射れば 今晩の
虫たち
かたつむりよ
その生活と気象の具合は
ふりまく上
減ってゆく有様
待っている
うすい色の
くもりの日は
助詞の ....
眼を閉じた
ボクの胸に
其れはポツリと灯る
肋骨の梯子ノボレ
海に還るものがたり
君の優しい相槌に
あやされて動いてた
心臓が在る
目蓋に澱む涙
引いては満ちる
潮の ....
3932 3933 3934 3935 3936 3937 3938 3939 3940 3941 3942 3943 3944 3945 3946 3947 3948 3949 3950 3951 3952 3953 3954 3955 3956 3957 3958 3959 3960 3961 3962 3963 3964 3965 3966 3967 3968 3969 3970 3971 3972
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