あなたに見つめられて色づきました
あなたを求めて降りてきました
でもあなたは私を踏みつけてゆきます
良いのです
....
教師は数を数えるのが得意
白い飲み物を毎日飲み込み
わたしたちの背は伸びきった
うららかな春の日
校舎は燃えあがり
煙にまかれながら
わたしたちは長い脚で
できるだけ早く歩いた
....
口紅であなたの背中に翼を描いた
真っ赤なラインと白い肌が美しい
口紅なんかじゃなく
もっと消えない色を刻み込みたい
あなたは私のだって証拠を
気付いたあなたに 落ちないんだからやめて ....
“beifet”
サスペンス漫画の黒幕が
戦いに破れた主人公に言い放った言葉
なんだかずっと心に残っていた
英語の辞書には載っていないし
一体どんな意味なんだろう
掃除の時間中 ....
透明な 呼吸を繰り返す
小さく脈打つ 心臓を感じながら
遠くの空を飛ぶ気球や
赤く腫れた水分を思う
地球とひとつになれた朝
結合部分からはマグマが流れた
やがてすべて 包 ....
そこに
風の道はなかったけれど
風を運ぶものはあった
見えない軌跡を引きながら
きみの空中ブランコが接近してくる
渦まく風のすべり台では
空のクリオネたちが目をまわしていた
宙を満たして ....
季節は巡る
頭上を
部屋を
森を
海を
空を
目の前を
光のうつろいと共に
きみを抱きしめた季節を
思い出す
カキ氷が溶けた後の 蚊の乱舞
床に描かれた光の窓を 開けようともがいている
犬達は皆 昼間は外にでない
やつらは 過ぎ去った陽光の中を
影を伸ばしながら歩くのが好きなのだ
だって
家族はコンピュータだから
のひとことで
だれもが無口になった
そのことが不思議でしょうがない
子供が欲しがるものといえば
ファミリー・コンピュータ
わたしたちは家族です ....
紫を着て
紫を考え
紫に染まる
不安になる
見えなくなる
刻めなくなる
階段を1段踏み外したような
差し込む角度を間違えたような
髪を捕まえられたような
ただただからっぽに向かっ ....
いつだって飛ぼうとしていた
チャンスはどこにでもあった
少し勇気と我慢が足りなかっただけ
いつだって12月の街は
苦笑いして僕を見る
白い夢を期待して灰掛かる景色
閉ざされた扉ばか ....
生きていることと
生きていないこととが
交錯する頭に 目眩がするが
僕とは その間にこそいるものだ
人間は 言葉を出している
考えないと それから
考えるを
何度も何度も繰り返して
....
オーブントースターのパンが焼き終わった音
こんがり焼けた小麦の生地の香ばしい匂い
コーヒーの出涸らしが出す香りも良い
あるいは
葱を刻んだり、魚を焼いたりする音
出汁と味噌の香りに焼きたての ....
白いシーツにまるまって
すこしの肌寒さを
うでの内側にそっと
抱きよせる
ひきのばされた夢と
まねかれざるうつつに
うっとりとくったりと
心ち ....
懐かしい人に会ったのにうまく話せない
月が綺麗に差し込んでる日曜日の夜
闇の中でしなやかな薬指に光る指輪を見てしまった
少しの間目を閉じた
見つからない言葉 ただ過ぎていく八月の風 ....
小さな 小さな 観覧車
六つの部屋しかない
観覧車の先には
暗く長いトンネルがある
小さな 小さな 観覧車
僕はその内のひと部屋に押し込まれた
残りの五つの部屋は空き部 ....
4時をすぎたら
紅い血の夕焼け
気持ちをほどこう
君の手を握って
形のない願いを
たしかめるそのくちびるは
甘く
苦い
闇のよう
どこへ行くのか知れない
金色の
銀杏並木
ゆる ....
ただしい船が
たくさん
海に浮かんでいる
沈まずに
まっすぐに
まちがいのないところへ
向かって進みながら
ただしさだけを保っている
嵐にでも遭ったのか
うちあげられた ....
巻き戻された、気がして
夜を
何度も聞き返す
この手が、
あるいはその胸が
用いようとする意味は
おそらく誰かの
船底だろう
唯一
月がおびえる頂
....
明けきらぬ朝の中にまだ消えぬ街灯の
パールの光を僕は纏う
全てが洗い流された後のまるで真空の中に
あるような青く透きとおった光
僕の中の澱を洗い流してくれる
夜どおし灯されたネオンは ....
うむまあの木といふ
器量の悪い詩人みたいな木がある
穴の開いた幹は
{ルビ欠伸=あくび}をしている顔のようで
暗闇の深遠に
なにかを隠し持っている
うむまあといふ
....
アーモンドチョコレートを一粒
光沢のある爪先ほどの球体
歯が食い込んでいく表層、とろけて
わずかに硬いアーモンドは
乾いているのでカリッと割れる
砕けた粒が乾燥地帯の匂いを呼んで
アーモン ....
手にした「水版画」という本を開き
(うた)という詩の行間で
夕暮れのすすき野原に立つ彼
今は亡き女の風の面影に
いつまでも手をふり
すすき等もまた
金色の海の波間に
....
耳を塞いで
鳴らすように駆け登り
落ちていく
落ちて行く途中さ、
すくわれて
ゆっくりと地上へ立つ
飛び出して
飛び込むように、
そこには
何もなかった
拾った
歪な四角 ....
今日は何だか気分が悪い
起きたくても起きられない
パジャマを脱ぐ気力もない
朝ご飯も食べたくない
だから学校には行きたくない
下駄箱を覗くのが怖い
ロッカーを開けるのが怖い
体育 ....
タイルの目地を
綱渡りする
少年は
ポケットに
手を突っ込んで
一人はにかむ
うつむいたまま
蛍光灯と自販機と
ベンチの後ろの広告と
背広にコートのサラリーマンと
....
空気は薄い膜を張る
破れそうなほどに薄く
でもしっかりと光を受け止める
太陽も月も星も
全部
昼は柔らかくなり
夜は澄み切る
指先が痛む
耳の奥も痛む
心は熱 ....
幽霊が豆腐を食べる
冷や奴より冷えた幽霊の
行儀の良いイタダキマスの
青白さを競う口元の
豆腐の角ばった立方体への怖れと、味わいの
幽霊声は、静かに しょう油派?
ポン酢派? をうらめ ....
生命がみんな輝けるように
奪われる生命への憤り
美しくも残酷な世界
天国でもあり地獄でもあるこの世界
死ゆえに生命輝く世界
生が満ち死が満ちて
生命のいとおしさ
生命の気高さ醜さ
優し ....
星空には星が広げてある。ちりばめられてはいるものの象嵌されているわけではないので星だけを残してテーブルクロスよろしく空を引き抜く練習をしたりしてはいけない。がっちゃーんざばざばざばといろいろ落ちてきて ....
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