メイプルソープの例の髑髏の写真を見て脳みそが後ろに転がってから前転倒立をいとも綺麗に極めてくれた頃の感覚を、僕は忘れない。携帯の音声認識に眉と静脈を顰めながらも必死にマイクに向かって叫んだことも、興味 ....
――波の間にはねた魚のその行方
――あくる日に落ちた椿のその最後
どなたかご存知ありませんかと
大きな声で喚きながら老女が通る。
つららの下がった軒下で
猫が寝ている。
大層 ....
それであなたが納得するとはとうてい思えないのだが
今夜は寒すぎるし
わたしは少し老いた。
米に入り交じる雑穀のような
赤黒いぶつぶつが肌に吹き出る。
これがアレルギーであるとして
いっ ....
何かをはじめるためには
何かを終わらせなければならないと
手紙に書いた
何かの本で読んだ言葉だ
と書いたけど
嘘だった
けれど
そんな気がしてるだけで
本当は言葉なんて
き ....
大寒の深夜
暗い庭で蝉が鳴く
薄い羽根は夜空を映して
灯りがあればきらめくことだろう
放置されたバケツの
冷たい水のうえで
蝉は羽根を広げる
蟻酸より不味い舌は蟹に喰わせろ!
イヌノミはネコノミより弱いのだ!
サーベルタイガーは牙が長すぎたのだ!
だからなんだ!
えいえい黙れ黙りやがれ黙らねーと
太陽のフレアにつっこむぞ!
暗黒 ....
丹念に温めた躰を
その一粒は意図も簡単に
冷やしてゆきました
とんとん、
からん
流れても流れても
肌は通わず
なぞってもなぞっても
白に触れることは
許されません
....
美しいその森は
青く
半透明の管が這っている
踏み入れると
足の下で
古い管が壊れる音がする
管の中には
森の血液、シチューの色をしたものが流れている
それは遠い山の中 ....
そうであつても (1) 眼をそらして
ええものか自問する
裏道ぬけて
へろりと死ぬ草ども
を踏み{ルビ乍=なが}ら逃げたら
・
神さんの焚き火をしかと見んといかんぞ やはり
....
がんぎまりの母親の太ももにフォークをおもいきり突き立てて
大麻の栽培されている蒸し暑い部屋をでていく
父親がローカでなにかをカクテルしすぎてオーバードーズ
ケーレンしてて笑える
重要なのはきず ....
どんな家庭を作りたいかと考えたら
それ以外に知らないから 我が家みたいな と
僕は答えるだろう
なんだかその妙な消去法が 最初は嫌だった
選択肢がひとつしかないのはすばらしい ....
恋人たちが
裸になる夜は
計算が合わない
数が音に
なってゆくから
建築物の息づかいも
聞こえてきたよ
スポンジみたいな
緻密なリズム
さびしさの背中に
スプーンを落として ....
真夜中に部屋の中で一人
耳を澄ますと聞こえる心の音
沈黙の中で奏でられるピアノ
同じテンポ・同じ音階で
人の心に迫り来る音がある
写真立ての中に映る懐かしき人々が
時を ....
大きなおっさんが
バナナ、貝、バナナ、貝
ゆーとりますけど
もっと繊細なおっさんが
ジャズジャズ、双子双子、セクシーセクシー
ゆうとりますけど
おっさんおっさんが
飯カネ 飯 ....
たらふくおいしいものを食べない正月なんて
知らないワ と着飾った女たちは
着飾った分だけ華やいで背を伸ばしそびえる
手管の行き届いた冒険の跡形を
光のように行き過ぎて 光 ....
チョロチョロねずみ
うろうろ犬
パチパチ初雪
ジュウジュウ焼鳥
ジャカジャカ音楽
ヒーターぼんぼん
ぐつぐつお鍋もの
ピーターぱんぱん
うとうとコックン
寒いの寒いの飛んでけ ....
この世の全てが{ルビ塵=ちり}である故
今・背負う重荷さえ
いつかは{ルビ宇宙=そら}に
消え去るでしょう
この世の全てが塵である故
自分を責める者さえも
{ルビ永遠=とわ} ....
「優等生」という響きに
たまに懐かしさを覚える
突っ走って
横に誰かいないかいつでも確認して
98点だった時は残りの2点を
異常にも責め立てる
そんな私を
どこかみんな遠い目 ....
忘れないことは無い
口先で約束を繕う様に
僕らなんて居ないと
こぼしてく
子供の先 甘いシロップ
君が見てる匂い
誰かでいいことは僕が
女性の様に閉ざされていたい
小さく息を切 ....
そしておなかがすいたのでビルの隙間を水平にいく鳥たちをながめていると
泥水を手のひらですくってのんでる子供の映像がコマーシャルで流れて
記憶という文字があちこちで文字化けし
円山町の ....
可哀そうな瞳から
ぽらりぽらりぽ
手で拭っても拭っても出てくる涙
困ったことが多いもんだ
困った困った
そんなことを
全部覆う手
そんな手でさえも誰かの手に乗ってる
....
僕の
大好きな人が
川の向こうの町に引っ越した
喪服の列が東から西へと
空を覆うと
僕は 川を渡れる
夜は死ぬことを許すのだ
なんだか灰色の空だな
シャブ中で捕まっている夫とくらしていた家はおじからかりていたもので
おじは今母の働いている透析の病院の院長先生をしていて
このお正月にすべてからっぽになったその家をみに ....
駅のホームで
すこし優しくなれるのは
いつもとはちょっと違う場所で
電車を待っているから
いつもの道で
すこし優しくなれるのは
切りとられた空が
それは
それは青かったから
....
ななつ
神棚
薬の味の酒
雪
ましろの森
難転
待つを聞く
年神
貧乏神と力を合わせて福の神を追い払う
日本昔話が、日本的混沌を表わしていて好きだ
難を転じ(南天) ....
僕なら気にしないで
君にすれば僕は
でも息をしている
今もまだ
首、その甘い香り で
一生を無くして
ぼくならきにしないで
きみにすればぼくは けもの
死んでもいい
僕を ....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
旅先の六甲山頂で酔いどれて
飲み干したビールの空缶を
目一杯に、握り潰す。
それは寂しがり屋な自らに
凍てついた手を振る、
決別の儀式。
あるみにうむの如き
軟弱だ ....
閃きと思いつきは違う。
置き忘れた荷物を取り戻すようなマネはしない。
必要ないからさ。
くたばり方を考えるよりも、犯す方法を模索する。
考える前に思い知らされて、及ばない時 ....
エントロピーが増大しない方向へ
コマを進めようということになった
博士の愛した数式は
イコールでだけ 息継ぎをする 走りながら
走りながら 本当のふりをした 走りながら
....
3875 3876 3877 3878 3879 3880 3881 3882 3883 3884 3885 3886 3887 3888 3889 3890 3891 3892 3893 3894 3895 3896 3897 3898 3899 3900 3901 3902 3903 3904 3905 3906 3907 3908 3909 3910 3911 3912 3913 3914 3915
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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