君はまるで、そこにいるのにいないかのよう
今日会ったことも今では忘れて
いつかは、お互い、見知っていたことも忘れ
印象の残存と、微かな記憶にすがりつく
美であったように思われる一抹の記 ....
ぽこっと開いたコンクリートのくぼみに
しとやかに雨粒が埋められてゆく
雨粒はくっついて水たまりになり
ごうごうと吹く風に水面を泳がせている
ほら この大きな木
わたしよりもうんと ....
いわさきちひろは雨の匂いがした
ユトリロは水の底の幻に見えた
ミュシャは海岸の岩の上の魚みたいで
ムンクはいつも廃水の河みたいだし
モネは水面に写った幻想みたいだ
今日は雨だ
アスファ ....
のこぎり色した君の眼と白い服のコントラスト
振り落とされた灰皿 どす黒い赤の色がついた
カタリカタリと秒針が僕の処に近づいてくる
鬱屈とした少年期のヒエラルキーへの苛立ちが
....
白兎は視界から消える
羞恥にまみれ しかも無防備に
何も見ていない兎の目
盲目の充血が痛ましく雪原に消える
去った後に残されたもの
耳を覆いたくなる残酷な幼い声
汚らしい食い残し
お ....
「誰とでも分け隔てなく接し、皆に優しくして、皆で仲良くしましょう」
……それが、小さい頃の正義だった。
嘘であるなどと疑うことすら知らなかった、あの頃の。
先 ....
電車のドアが閉まる
それを見送る
乗るべき電車は
まだ来ない
*
僕の帰る町にも
やみそうでやまない
雨は降っているのかしらん
*
「あまりよく知らない人たち ....
しとしとぴっちゃん。
雨が降っている。
雨はあまり好きじゃない。
気温が下がるから。
気分も暗くなるから。
具合も悪くなるから。
昔の古傷も少し痛むから。
なんて、最後の ....
流れは存在する
清く
深く
蒼く
さわやかに
存在する
その流れを一口飲めば
躰はさわやかに
心は爽快に
回復する
流れは甚深
流れは濃厚
この流れを口にするために
古来 ....
認識といった知的なアプローチへ人体のパーツに固執するフェティシズムにぬくぬくと思い起こさせる特徴的な哲学上の見解、立場をついに
闇深く地球以外に生物の生存の鳥島硫黄山火気注意
この混雑気味な限界や ....
一月二十六日の日食はインドネシア上空で見事な金色の輪を形成しました
炎上に原子半径(計測値):135 (174) pmの腐蝕しきったどんどん入れ替わっている分子の形と祈りのように
名前の ....
昭和の名優がまたひとり
舞台を去った
平成も早20年を経、
昭和の栄光は20年前の話
40才の私にしてみれば20才の青春時代から20年後
あと50年もすれば70年前の話
私の生死もやぶさか ....
明日に絶望しても
未来に絶望はしない
それが俺の生き方だ
.
◆君はあの狼の群れを見たかい?月が僕にささやいた。
君はあの岬の向こうの羊番だろう?私は知っているよ。
月は何か人違いをしていた。僕はあの岬の上の墓守だった。
月は何か嬉しいようにささやいた。僕 ....
出会いを点にして
ブックに落としたら
模様ができるくらい
数になった
すれちがいを
修正したくて
その点どうしを指でつなげた
寂しいとおもい
落とした点は
透けているので
....
しあわせ
ひとりひとりが
みんなでいっしょ
声は要らない
心地よい融合感
向かい合った頬の
熱く桃色に発光する
その点滅を伝える
ひとまわりの回路が
黒々とした睫から始まる
....
発せよ記せよ ことば ことば ことば
口唇のぬめりを 指先のしなりを 以って
意識の解体が世界を懐胎し 生れ落ちた ことば
語れよ残せよ ことば ことば ことば
眼球の視矢を 土踏まず ....
私に手を掛ける三分前
あなたの世界は破裂したのだろうか
どろどろとした緑を排出しながら
あなたの世界は破裂したのだろうか
私とくちづけを交わす三分前
あなたの世 ....
一つ減らしてから一つ足す。
残念ながら、そんなに大きな器は持ち合わせちゃいないから。
時には勝手にこぼれ落ちることもあるけれど。
気付かないうちに抱えきれない程の感情をもてあましてたのかも知 ....
詩を書くのは怠け者の仕事
誰かがそう言いそうだ
そんな、良心の傷を持ち
意味のあることを言っては
詩を食べて、そうして
パンももちろん
まとまった金はなく
売れませ ....
手段は目的を結果する
言葉は行動を政治に
生を遂行する
画は行動を芸術に
死を遂行する
音は行動を祭りに
生と死を横断する
自然は行動を風に
生を殺 ....
私の焦る思いで
心が絡まってしまった
思考が重くて
からだも重い
刻々と、刻みつつける時間が
だらだらと過ごす疲労感が
締め付けて 何もかも重く
投げ出したいと
何もか ....
ぼくらはそれぞれの妄想の奔流によってのみ潤される
共感も信頼も憐憫も要らないから
どうぞ強要することはしないで
金は愛はあるところにしか流れない溜まらない
出来損ないの枯れた水系で ....
動物がほとんどいなくて、すきっ歯な林だけがあるような
そんな植物だけが林立する場所にも、空き缶は捨てられていた
その缶を水が徹底的に錆び付かせ、風が土に埋葬した
泥に溺れそうな缶詰の、淵が顔を覗 ....
めを とじる
やみの なかに
さらに ふかい やみの なかに
おりる とびらが みえる
あの やみには
ふれては いけない
こわばった ぼくを
ほぐすのは
たいおん ....
マクドナルドの隅で自慰をして
汚い安食堂のうどんで身体を温める
指の指紋が剥がれるくらい
心が痩せて
今日も化粧のノリが悪過ぎるわ
明日が春で
あさっては春
....
クラッカーが鳴らされた
遠い船旅への出航にも似て
さまざまな色の
無数のリボンが流れては
黒い羅紗の床を汚してゆく
ひとつの別れなのか
祝うべきことなのか
知らない
どこへ ....
ものごころついたときから
あるもよおしものが
そこでおこなわれていて
開催期間:ひとのきかん
とかかれてあるので
ふしぎにおもい
うけつけのおねえさんに
ひとのきかんとは
....
同じ図書館は二つとないね
どの図書館も違う
引っ越したあとも使っていた
利用者カードの期限が来て
今度は更新できない
一度別れてしまった恋人の手や髪や唇には
二度と触れられないよう ....
今日一つ嘘を吐いたら
明日も嘘吐かなきゃなんなくなって
その次もその次もいっぱい嘘を化粧したら
私の顔がみるみる別人に変わり
いつしかオオカミになっていた
3853 3854 3855 3856 3857 3858 3859 3860 3861 3862 3863 3864 3865 3866 3867 3868 3869 3870 3871 3872 3873 3874 3875 3876 3877 3878 3879 3880 3881 3882 3883 3884 3885 3886 3887 3888 3889 3890 3891 3892 3893
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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