記憶の欠片に
そっと 指先が触れて
灰色の空を流れる感情
切り離したくなるような
非現実
ゆらゆら
揺らめいて
漂うだけ
張り裂けそうに動き続ける
誰もいない
....
何故此処には 雪が積もらないのだろう 積もっても 春のように消え 冬のようにまた 積もるのは何故 なんども冬と 春を繰り返す 冬は 過ぎ行く季節 此処に来てわたし 時の早さを思い知る とくに冬 ....
ねえ にゃんこ
私が仕事に行っているあいだ
君はなにをして帰りを待っているにゃ?
お腹がすいたらカリカリを食べ
眠たくなったらお気に入りの場所にゴロンってなって
本当にに ....
きっと あなたも あたしを 抱くのでしょう
心の底で 別の女を想いながら 抱くのでしょう
そうやって それでも あたしの目を見て 「好き」 と言うのでしょう
けれどね あたし ....
錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、
なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない
まるで
雲を思 ....
青空が好きなんて、きみはっ!
と
心理学者はためいきをついた。
子猫の鳴き声が好きなんてなんということを!
と
心理学者は憤りを隠そうともしなかった。
好き ....
夕月は君が
先に見つけた
でも
明日雪が降ることは
きっと教えてあげない
*
君のいちばんのねがいを
たぶん私は知っている
でも
君のいちばんの ....
緑あふれた
かの沼地には
蓮の花が咲き誇り
緑あふれた
かの沼地には
ホテイアオイの紫色の花々が
咲き誇りすぎ
黄金色の魚体が
ぐらり揺らげば
緑あふれる隙間で
透き通っていたはず ....
鯖、青くあれよ
他愛も無い会話にひとりで萎れて
声を殺す自分以外の
殺生するな、その声で
正夢のなかで
静寂に甘えずに瞳孔を拓けよ
望遠鏡
向こう側の前に
焦点を見出せ横たわるのなら、 ....
わたしの背中には
一枚の皿が
ぴったりとくっついていて
たとえば高いところから
低いところへ落ちる時など
少し浮いてしまう
そんな時
わたしはこの世界から
少し離れたところへ ....
生粋の江戸っ子気質である私の父
その本籍が群馬県であることを知り
思春期特有の繊細な心に動揺を来たした妹が
バスケットボールの代表選手に選抜されて
スウェーデンへ遠征試合に行った後
まるで別 ....
暴走族の少年たちを一同に集めて
野球チームを結成しようと試みた
最初は反発していた少年たちも
やがて野球の面白さに魅了され
一人また一人と暴走族を脱退
今では心から野球を愛する
純粋な若者 ....
わたし 話す
わたし 笑う
わたし 怒る
わたし 学ぶ
わたし 寝る
わたし 恋する
わたし 泣く
わたし 跳ねる
わたし 落ちる
わたし 病む
わたし 挫折する
....
とっくに詩人でなんかなかったことを
ようやく認めようとしている
もういらない飽きた
雪でもいい 食べたい
とっくに凍えて死ねてしまうのに
肌の強さで生きてしまえる
身体は絶えず ....
今年は逆チョコが流行るというので
私も早速チョコを買いに出掛けたが
行きの電車賃を払ってしまったら
財布に全然お金がなくなって
チョコを買うことが出来なかった
こうして流行に乗り遅れた私は
....
にゃ〜ごカーゴは宅急便
しかも宙間航路です
社長の名前はキャプテン・グラッセ
栗色に光る毛の猫です
おわぁあわぁと折々に歌う
彼らもまさに詩を駆る種族
地球生まれで猫族だけは
なぜか ....
ぼくらはみな太陽のきれはし、町も山も河も森も
いきものだらけの海も、君もぼくも;
ぼくらがやってきたのはあそこだから、
あそこをみるのはたぶうだ、めがつぶれる。
フォトンのつらなりに解体さ ....
凍てつく大地を踏みしめて
真っ赤に踊る炎の火
煌めく火の粉に
ちりちり混じり
きらきら昇華していこうとする血に
誰が嫉妬を焼べたのか
ゆらゆらと揺らめき
闇夜を焦がして燃えさかる ....
料理を始めた。
その多くは
夢を素材としている。
それを食べたあとに
あなたは
あの日のように
歩く
あの日のように
自転車に乗る
あの日のように
料理を始 ....
誰がいったのか知らないが、戦争が始まったのだと云う。それも聞く所に拠ると、青山のホテルの一室でだとか、はたまた九州の阿蘇のほうでとか、とんでもなく脈絡が無く、規模も理由も判らないまま只噂ばかりが先行し ....
090210
南海の
観音菩薩に挨拶し
これが
下界の見納めと
キントウンに跳び乗って
一回転
十万8千里をひとっ飛び
これから
地下の帝国に潜入し
....
(時空円錐)
虚空で支えを喪ったじょうごのように、
尖った先どうしを付けあって、
危なかしく身を支えているこの世界:
君とぼくの航跡は、離心率にあやつられ、
交点の夢をみながらも、一足ごとに ....
遠くにもえる空
なにかがやってくる 予感
甘いカフェオレで眠らせたこころに
透明な釘が刺さる
走る列車の軋みに
見送られていく時間
夕暮れの空はどこまでも美しく
わたしを ....
090210
手のひらで水を掬うポーズ
倒木を避けるポーズ
みたらし団子を嫌うポーズ
甘納豆を頬張るポーズ
自転車に乗っているポーズ
開き ....
水玉模様の細い首輪を嵌めた
羊みたいな純白の犬を従えて
リードを手に黒縁のレイバンが座る、
ゆらゆらと木漏れ日の蠢くベンチ
――お姉ちゃん、犬が好きか?
ああ、こいつビンゴっていう名 ....
廊下の向う側に、貴方が見えた。
机の上に置いたシャープペンシルを、もう1度持ち直す。
閉じかけていたノートに、日本語訳を書き込む。
ペンを左手に持ち換える、廻す。
指の間をペンが通 ....
人間は、皆、光源だ。
ただし、輝いている人ほど強い光源だ、という意味ではない。
光源は自分を照らすことができない。
必ず、誰かを照らす存在だ。照らすだけでは輝けない。
....
色んな人がいる。
楽しそうに騒ぐ人達。
ゆったりと話をする人達。
孤立している人達。
あちこちをうろうろしている人達。
教室という名の小宇宙を一目見渡すだ ....
少しづつとはいえ、大人になっていく僕は
少しづつ、ではなくキミをとても意識するようになる。
大人になった大人は
甘酸っぱい憂鬱だ、と懐かしむ感覚を、
子どもから大人に向かう僕は
苦味のき ....
終わり
やがて
空が蒸発する
僕は無機質になる
やがて
風が風化する
僕の最後の灯し火を消す
終わりの時は
最初から始まっている
僕は知らな ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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