[268]足立らどみ[2025 05/15 16:05]
い諦観が漂い、穏やかな悲喜こもごもの感情が行間ににじみます。

? 大岡信「地名論」
大岡信の詩「地名論」は1967年発表の代表作で、世界各地の地名とイメージを次々に連ねる連想詩です。冒頭から「水道管はうたえよ/お茶の水は流れて…」と日常の都市景を歌い、最後には「瀬田の唐橋/雪駄のからかさ/東京は/いつも/曇り」という一節で締めくくられます 。ここで突然「東京はいつも曇り」と冷めた視点を挟むことにより、詩全体に郷愁と諧謔が交錯する情調が生まれます。各地の名に秘められた記憶や郷愁が立ち現れ、異国や古跡に対する幻想が湧き上がる一方で、現代都市への醒めた眼差しが感じられます。詩語はユーモラスかつ
[次のページ]
戻る