[15]佐々宝砂[2005 04/24 02:37]★2
車の窓より外をながむれば
ところもしらぬ山里に
さも白く咲きてゐたるをだまきの花。

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「こころ」

こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて。

こころはまた夕闇の園生(そのふ)のふきあげ
音なき音のあゆむひびきに
こころはひとつによりて悲しめども
かなしめどもあるかひなしや
ああこのこころをばなににたとへん。

こころは二人の旅びと
されど道づれのたえて物言ふことなければ
わがこころはいつもかくさびしきなり。

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「女よ」

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