[3]小川 葉[2011 03/26 20:14]★3
ん見えなかったものが、みるみる見えた。

その翌日の夜だっただろうか、
緊急地震速報の音がラジオから聞こえた。
息子が僕にしがみついた、揺れはこなかった、かわりに、
窓の外が明るくなって、それから家が、
ぱん、ぱん、ぱーん、と、明るく灯った。
死んだのかもしれないと思った、それは、
蛍光灯の光だったのである。

それからラジオでしか聞いていなかった、
海岸の街の現実を、映像で食い入るように見た。

ネットも通じた。
心配してくれる人からの連絡も届いた。
けれども、僕は、テレビの向こうにある、
はじめち見た映像に、
知らなかった現実に、ただひれ伏すことしか、
できなかった。

今もまだ、信じられないでいる、そのすべてを。
戻る