[88]千波 一也[2005 09/26 02:23]★6
※夜更かし作品

銀猫 → 水無月 → いとう (敬称略)

一人一行ずつで
行けるとこまで、です。

題 「 褐 色 」

天気予報がはずれたときの 邪魔な傘に向かって
目薬をポトリ、と
落とす前に目薬を買わなければ
ところが生憎 小銭しか持ち合わせが無い
仕方がないので 缶コーヒーで我慢我慢
褐色の雨で傘はずぶ濡れ
感傷をキメるつもりだったのに
手がベトベトだ 怒りが満ちる
泥水にも似た、肌を浸食する悪寒
こころの芯まで鳥肌がざわめく
折からの突風でゴミ箱が倒れた
失われた世界を求めてざわめく褐色の虫、虫。
その向かう先は憂鬱の詰まったビ
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