[83]銀猫[2005 09/22 22:42]★5
きましょう
でも、もしもきみの身を貪る虫が ボクだったのなら
この舌先と唇が届くところすべてを奪ってしまうかも知れない

たとえ熟した実ではないとしても

ボクにとっては ゴチソウ以外のなんでも なんでもなかったから。



タイトル「誕生」

岩礁から聞こえてくるのは人魚の吹く貝の音
波と波とを縫い合わせながら漂う

水母のやわらかさは幼き日の枕の肌触り
瞼を塞いでも洩れる雲母は幼き夢

瞼の裏側に広がってゆく天の川、命の軌跡
手のひらに触れるきみの温もりは命の証

沖をゆく船がいま漆黒の水底にいかりを下ろす
たゆとう海色の水浅葱に真紅の船底は映えて 

見よ、あこや貝が満面の笑みで口を開こうとしている
女神の誕生を 我は見るのだ



※誕生のタイトルは中島みゆき氏に敬意を表しつつ拝借しました。
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