[24]いとう[2005 04/24 03:12]★3
100行耐久連詩。いとう&ベンジャミン
1行ずつ1人50行。0:30〜 所要時間:約2時間30分



消失地点


残されたものはあまりに少ない
大げさに笑ってみせる背中に
いくつかの紋様が現れるだけだ
ふと振り返れば
わずかばかりの足音と
薄くのばされた影が横たわり

消えていくものだけが幸福の意味を知る
人を吐きつくした駅のホームには
黄昏が渦を巻いて
戻る場所を探すカラスの群れが
戻る場所を知らないまま、消えていくのだ
そして
私の背中にはいつものように

過ぎた時間が背負われている
思い出はいつも呪われている
そのことに気づいたのは

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