[110]田代深子[2006 01/07 03:11]★2
命ずる声もなく
ひたすらな凍結よ 甘やかなのか
霧氷のおりる瞼
硝煙のにおいを求めるのもやめたのか
でも視て 、白を濁らす 声
残響 立ち上がり、立ち上がる傷痕の色彩
くずおれてゆく夜を棄て 薄暮に立ち上がる
薄暮の、内部に融けかける 彼の吠声
白い土地はおびただしく、
語りかける彼は、疾駆する吠声の
いらえはやってくる
やってくる、それぞれに伏せた
白い土地で 薄氷をふるい立ち
痩躯を射し貫く 一条の陽は追わず
けれど呼ぶ 、いらえを
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