ポイントのコメント
[瀬崎 虎彦]
あさりの塩出しをすると、暗がりで、海水程度の塩水につけられた固いからを持つ貝たちがそっと呼吸をし、粘液を吐く。 この時点で料理初心者の僕などは 「飼っちゃいたい、このまま」と アホなことを思ったりするのだけれど、まあそれは関係ないかな。 そうして夜通し沈黙した貝は、きっと長い夢を見ていたのかもしれない。水の透明さに、確かに川が流れるように粘液が広がる。けれど、その粘液を歌った人は、この詩の作者が初めてなんじゃないだろうか。 とても小さな、とても良い詩だと思いました。
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