ポイントのコメント
[とうどうせいら]
わたしは彼女より彼が惚れているという風に読みました。
彼女にとっては間に合わせの彼なのだけど、
彼にとってはかけがえのない幸福な時間を過ごしているという風に読みました。
違うかもしれないけど。
恋愛にまつわる人間のずるさや、儚い幸福感や、
惚れた者のうつくしい弱みが、ぎゅっと濃縮されていて、
多分これと同じことを他のかたが書けば、
悲劇的になったり、ノロケになったりすると思うので、
ぴのさんが書ける題材をきちんと自分流で書き上げたという印象を受けました。
ラーメン屋さんでラーメンを食べているカップルの中に、
実際こういうドラマを持った若者はいつでもどこかにいそうで、
人間的なまなざしと詩人としての緻密な観察力の両面を感じました。
タイトルもいいと思います。
(タイトルが気になって読み始めましたが本文とあっていました。
リズム感も)
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