ポイントのコメント
[石畑由紀子]
四年前から縁あって地元の現代詩団体に所属しています。それまではただただ我流、雑誌に投稿して入選しても詩誌ではなく『月刊カドカワ』だったりしたので、本格的な批評というよりは評者のコメント程度で。 で、地元の先輩詩人たちに初めて自作を批評してもらった時、自分では“完成形”として持参した詩に原形を留めないほどの赤を入れられ(構成だったり改行・行空けの有無だったり、「結局何が言いたいのか解りにくい詩だなぁ」だったり「この連はいっそないほうがいいね」とバッサリ切られたり)、カナヅチで頭を殴られたかのようなショックを受けたことを憶えています。もちろんそれらは添削ではなくアドバイスであって、最終的にどう直すかは作者の意思に委ねられるのですが、合評や批評の免疫がなかった私にはショックなできごとでした。 おそらく、そこは詩書きにとっての大きな分岐点なんだろうと思っています。人に自作品をいじられたくない人はひたすら自由に心のままに書く・発表できる場所で、批評よりも心地よい感想を求めてゆくでしょう、それはそれで否定する気はありません。その上で、しかし私は幸いそれらの批評が『書かれた想いがより人に届くようになるための』技術的なアドバイスであったり作者への問いかけであったりすることをのちに理解できて、それによって『うおーー!いつかこいつら唸らしちゃるー』と奮闘(笑)することができた、というか批評の奥にあるその人の愛情を感じとれた、、現在も、はしくれながらも今のスタンスで詩を書き続け、合評に参加できているのはあの時の批評のおかげだと思っています。 私の地元の詩人会にも、ネット上の詩に対して決して明るくない方たちが多く、触れず嫌いの方も大勢いらっしゃいます。もちろん公式サイトなんてありゃしません、パソコンを扱わない年代の方が圧倒的に多いからです。どこにいっても私が最年少者(33歳なのに)で、『今は若い書き手がいない』と詩人会の老齢化が懸念されています。でも違うんですよね、いないんじゃなくて探してなかったの、そして地元詩人会とネット上を活動拠点とする若い書き手に接点がなかっただけなんだと思うんです。今、ようやく双方が歩み寄ってみるいい機会ができつつあると感じてます。 なんか長文になってしまいましたが(私信のほうが良かったか;)、佐々さん、ここからささやかなエールを贈らせてください。
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