ポイントのコメント
[洗貝新]
凍りついた坂道を登れないので道は渋滞していた。まだ霙混じりに降り続く外の温度は零下三度を上昇しようとはしない。室内の暖房と外の冷気で車内は真っ白に閉ざされていたのだ。〜ふん、こんなときに普通車で来るからだ。〜当分動かないぞ、これは〜運転手の小唄が鼻歌交じりに吐き捨てた。う〜ん、もっと触ってよう。あいかわらずアイナメの口は濡れてぐちゃぐちゃと音を立てていた。タチウオの先をペロリと舐めたりペチャクチャと加えたり、暗闇の中では閉ざされていたが、運転手の恋太郎が、〜ちっ!俺のぶんまで残しておいて欲しいわ。とタチウオの先に手を伸ばしてきた。〜あ〜ん、ダメよ!手を出しちゃ…。志賀直哉の小冊子が尻の中心を叩いていた。
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