ポイントのコメント
[足立らどみ]
病院の1つのブースというよりクリニックや診療所なのかな。 その部屋の一場面の出来事を超えて、季節や時間の移ろいが 静かに織り込まれている不思議な情感が漂っていて、本当は、 令和の都心の今では電子カルテが主流となっているわけだし 院内薬局がどんどんと減りつつあるので、この詩作品は何処か 小さな町の片隅に息づく場所で、医療施設という現実的な場所 の中にあって、詩的な空間がそっと混じり込んでいる不思議な、 詩の幻想性と現実感が同居した時空で、 そのなかでは人の言葉も曖昧になり、 文鳥がカルテをめくるという幻想的な瞬間さえも自然に感じさせる、 詩特有の柔らかな世界を感じました。 まるで、、、失われゆくものたちへの詩的なオマージュのようで、 作中でも秋という季節がすでに『絶滅』し、 体の不調がそれに呼応するという発想も、 時間の経過が私たちの体にも静かに影響していることを思い出させます。 ネット詩読者の1人として、 この作者はどこに住んでいるおいくつぐらいの方なのだろうと 野暮な興味すら湧いてしまいました。 多くのネット詩読者の好きな作品になっていくのかな?と思います。
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