ポイントのコメント
[アラガイs]
…来るのか来ないのかわからない 。口喧嘩した彼女を喫茶店で待っていると、隣合わせのおんなから声をかけられた 。(あのう すみません 。すぐに戻りますからこの荷物少し見ててくれますか…)そう言うと、快活そうな黒いパンツスタイルのおんなは足早に店の出入り口に向かった。まるみを帯びた額。張りのある白い頬は紅潮し、明らかに焦っている様子だった 。 しばらくするとおんなは小さな汗を拭いながら戻って来た。安心した様子で(どうもありがとうございます。この辺りははじめてなので…)一言二言言葉を交わし俺は待ち合わである旨を告げると、笑顔で頷いたおんなの顔は何処かさびしそうにみえた。少ししておんなは重たそに鞄を取り上げ丁寧に礼を言い席を後にした 。 会釈した横顔は美しく透明に輝いてみえた。 それから不機嫌そうな彼女がやって来て俺の前に座った 。 彼女とはあれからすぐに別れた 。 …しまった 。 と、思った 。
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