ポイントのコメント
[イリヤ]
四千の日と夜 一篇の詩が生れるためには、 われわれは殺さなければならない 多くのものを殺さなければならない 多くの愛するものを射殺し、暗殺し、毒殺するのだ 見よ、 四千の日と夜の空から 一羽の小鳥のふるえる舌がほしいばかりに、 四千の夜と四千の日の逆光線を われわれは射殺した 聴け、 雨のふるあらゆる都市、熔鉱炉、 真夏の波止場と炭坑から たったひとりの飢えた子供の涙がいるばかりに、 四千の日の愛と四千の日の憐みを われわれは暗殺した 記憶せよ、 われわれの眼に見えざるものを見、 われわれの耳に聴えざるものを聴く 一匹の野良犬の恐怖がほしいばかりに、 四千の夜の想像力と四千の日のつめたい記憶を われわれは毒殺した 一篇の詩を生むためには、 我々はいとしいものを殺さなければならない これは死者を甦らせるただひとつの道であり、 われわれはその道を行かなければならない
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