五時に落ちる太陽/水町綜助
熱く、季節が
とばされていくなか
黄金に、ビルが
白い、壁が、こんなにも
強く、握りつぶした飛沫が、散って
染め上げていくなら
いま、青ざめながら
体温が、
下がっていくのを
だれかに抱かれながら、みている
わすれない
頃の名前を
あたたかさと
いらだち紛れの
平穏の、くすぐったさ
ちりちり、
ちりちりと
鈴の音より鋭角に
端からもえていくほどに
継ぎ足していく
白く、
また、もえる黎明が
飛び散ったたそがれの
さきに、あるなら
いま、
このまま燃え尽きるまで
このまま
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