オクノホソミチ 〜KAZANAGI風味〜/Rin.
 
だ。ところが、マイペースのユウコはなんとかついてこられるのだが、スローペースのカヨがいつもリズムを崩すという。カヨの番が来る度にゲームが中断しては、話にならない。とうとうハルカがプッツンしたらしい。カヨも、わざとなわけではないだけに、きゅーっとなってしまい、しばらく気まずい空気が流れたようである。運悪く隣近所に座ってしまった乗客たちはきっと、ずっと気まずいままでいてほしかったであろう。せっかく静寂が訪れたのに、4人は、こんどはリズム感など全く必要としないしりとりを始めた。かわいそうに乗客たちは、乳酸かなにかの疲労物質を山ほどためて、電車を降りていった。運が悪かったのは私の隣のおじさんも同じであった
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   グループ"【TJ】 楽器なきPUNKISH NIDHT"
   Point(9)