オクノホソミチ 〜KAZANAGI風味〜/Rin.
 
ルカが3票分の権利をもっているので、カヨにしてみれば不幸かつ不公平極まりない。カヨはかわいそうに、テスト中に腹痛をおこした人みたいな顔をしてついてきた。
 ボックスに入っても、カヨは歌えないよを連発していた。でも実は私も歌えないのであった。私の「歌えない」とカヨの「歌えない」とは種類がちがう。カヨのは純粋に「恥ずかしいから歌えない。」一方私のは、「ナツメロしか知らない、上に救いようのない音痴だから歌えない。」のである。歌うには歌えるが、15・6の同世代に、加山雄三なんか聞かせても引かれるだけなのだ。しかも、「矯正しろ」と、バケツを被せられてしまうほどの音痴だ。けれどもナツメロをレパートリーから抜
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   グループ"【TJ】 楽器なきPUNKISH NIDHT"
   Point(9)