徒歩旅行/なを
 
こへでも行こう、と思いまし た。天国でも戦場でも、世界の果てでも。世界は空っぽで、そしてわたしたちにはいくらでも時間はあるのです。


このように草のうえに立って居るとかつてわたしが亡命者であったことを思いだします。
このように故郷を懐かしみそうして泣いたことをそしてその
涙が
ふるい
小説を読んで流す涙の様だったことを


わたしたちはわたしたちの永生に、さいしょの十年で疾うに倦んでしまっていました。
両のてのひらのあいだであなたのてのひらをもてあそびます。最上級生の優等生の女の子のように額を出すかみがたのあな たの、汗ばんだゆびにゆびをからめます。回送バスの窓にはパノラマ
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