九十九夜/nm6
をつけて
オレンジ色の猫と一緒に飛んでいく
そこでは 電線が洗濯物日和だ
ぼくはその国で 冬の雀が666匹
コインロッカーにひしめき合うのを
蝉の死骸のようだと眺めていた
ぼくはもうこの世界に片足をつっこんでしまった
ベネチアングラスのようにきらめく世界に
誘蛾灯にひしめくぼくらの喫水線
煙に沈みこんで合法ドラッグでひとでなしの恋
影法師に欠けた左手がうつりこんでしまって
夜中じゅうずっと とまらない鬼ごっこをする
INSOMNIAと書かれたベルリンの壁の落書き
これもドイツ人の英語なのねと言いながら彼女は
ハイヒールの先のプラスチック爆弾で
そして コン
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