表裏一体/望月 ゆき
 
水晶を手にして
天使が舌打ち

思い通りになりゃあしない

ぼくをよく知らない
きみのリアリティは
いつも 悲しみと
奇妙な苦笑いを併発させる

ぼくがいけない
5分前の明日を
きみの手のひらに見つけられなかった ぼくが

きみがいけない
ぼくのつま先が奏でる合図に振り返った きみが

ため息の瞬間

舌打ち天使は
水晶をポッケに入れ
背中の羽を丁寧に折りたたみながら
きみの中に 帰っていった

ぼくの中の
悪魔が
火花を散らしながら顔をだす


思い通りになんて
絶対にさせるもんか

   グループ"四文字熟語"
   Point(3)