都市伝説/捨て彦
つまみやら肴やらで雑然としたテーブルの上に
さわやかな風が吹いて
突っ伏している中年の
たよりないバーコードが たゆたう
そう、
それはきっと
隣で口を尖らせて
懸命に風を送っている
たよりない同僚のせいだ
( こんなときは 私立右目三つ小僧 は出てきません )
街、
今、視界の中には
人が二十三人いる
男が十人いる
女が十三人いる
帽子をかぶったやつが五人いる
おにぎりを食べているやつが一人いる
リアクションの大きいやつが一人いる
座っているやつはいない
携帯をいじっているやつが九人いる
電話しているやつが二人いる
(こんなときも
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